プレス加工の特徴
プレス加工は、プレス機で金属板に大きな圧力をかけて造形する金属加工の一種です。金属に圧力をかけて金属を曲げたり、切ったり、凹凸をつけたりして、形を作り出していきます。
プレス加工に必要となるのが金型です。金型を利用することで、素早く、正確かつ均質に生産することができます。量産に適した工法で、計算通りに細部まで綺麗に仕上げることができるのが特徴です。
SHIINA FACTORYでは、さまざまは種類のプレス機を用意しており、依頼主の要望に応じて最も適切な製法を組み合わせています。
加工法
プレス加工には、色々な種類があります。クッキーの型枠のように金属から形を抜き出す「型抜き」や、金属に凹凸をつけてデザインを浮かび上がらせる「打刻」、また金属を曲げたり丸めたりする曲げ加工などがあります。
１枚１枚打ち込んで製作しています。一つの作品やパーツを作るのに、複数の金型を使用することもあります。
金型について
プレス加工では、金型を用意します。金型は鋼製で非常に耐久性に優れたものです。これをプレス機に取り付けて、金属板に打ち込むことになります。用途に応じて金型も形状も異なります。形状を抜くための「抜き型」、形状に凹凸をつけるための「彫刻型」や「刻印」、金属を曲げるための「曲げ型」などです。石留めなど箱型に作るための「絞り型」もあります。
彫刻型
絵や模様の凹凸をつける
抜き型
形状を抜き出す
曲げ型
曲げる
製作の流れ
製作の流れは、各案件によって異なりますが、概ね以下の段階を踏んで納品となります。
お客様と具体的なデザインや仕様を詰めます。形状だけでなく、寸法、素材、仕上げ方法等について具体的にイメージを明確化します。
上記のデザインや仕様に基づき、図面を製作します。彫刻型の場合、３次元での図面製作が必要なります。案件によっては図面ではなく原型を手作りすることもあります。
実際に金型を製作する前に切削加工等で試作をすることもあります。図面だけではわかりにくい感触やイメージを確かめることができ、必要に応じて修正を加えます。
図面によりデザインも最終確定したところで、金型の製作に入ります。
金型が完成した段階でサンプルを製作します。この目的は金型を修正するものではなく、磨きやメッキなどの仕上げや組み付けなど最終工程の確認のためです。
仕上がりのイメージも確認できた段階で量産に入ります。
弊社内で仕上がり等を確認後、納品致します。
費用・納期
費用は試作や金型代などの初期費用と、量産時の単価に分かれます。
金型製作の目安としては、彫刻型：100,000円〜/個、抜き型：50,000円〜/個です。
単価については、使用する素材、仕様や数量によって変化します。また仕上げの有無や求める水準によっても変動します。デザインや仕様が固まった段階で、概算をお見積もり致します。
納期については、仕様やデザインが最終確定してから１ヶ月から２ヶ月程度になります。時期によって繁閑があり、仕上げの内容によっても納期は伸縮します。
プレス加工が適するケース
デザイン
球体やフィギュアのように立体的な形状を持つもの、厚みがあるもの、抜き加工が複雑なもの、つなぎ目がないリングにようなものは、プレス加工には向きません。
また、少量生産、デザインのイメージが未確定な段階、限定的なテストマーケティングといったケースの場合には、他の工法の方が有利となることが多いです。
仕上がり
エッジも含め、細部まで綺麗に仕上げることができます。比較的コストを抑えて均質な品質を求めるのに最適です。キャスト（ロストワックス）で製作する際に出る表面の巣や内部の空洞もなく、耐久性に優れた製品となります。
コスト・生産数量
ある一定数量を超えて生産する場合、キャストなどの工法に比べ単価を抑えることができます。数百個の単位で注文を検討されている場合、金型を製作してプレス加工で生産する方が有利になる可能性があります。
予算・事業ステージ
初期費用を投資する余力があり、商品の粗利で初期費用を比較的早期に回収できる見込みのある場合には、プレス加工は良い選択肢となりえます。特に定番商品・パーツとして長く使用する場合には最適です。
プレス加工が適さない場合
球体やフィギュアなどの立体的なデザイン、厚みのあるもの、抜き加工が複雑なもの、境目のないリングなどは、プレス加工には適しません。また、ステンレスのような非常に硬い金属のプレス加工はSHIINA FACTORYの設備では扱いが難しいです。
数量については、少量生産には向きません。また、初期費用を投じる予算がない場合、イメージが未確定だったり、商品開発の初期段階で試行錯誤が必要なケースにも適さないことが多いです。
上記の場合には、キャスト（ロストワックス）法やレーザー加工など他の工法をお勧めします。
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